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「心のふるさと:spiritual homes」では、農村風景の典型であった「茅葺民家」、明治期以降に建てられた洋風建築も含めた伝統的な「古い建物・街並み」、日本人の美的感覚の集大成である「庭」、そして、古来より庶民の娯楽であった「温泉」について、写真を通し皆さんに楽しんでもらえれば幸いです。

現代人が忘れかけている「心のふるさと」の一端を私が初めて強く感じたのは、大学時代にバイクツーリングで通りかかった、京都府美山町長谷(現南丹市)でのことです。暮れなずむ由良川に沿って20軒ばかりの茅葺民家が点在する集落を見かけ、何とも言えない懐かしさがこみ上げてきました。

今振り返ると、子供の時、よく訪れた母方の祖父母の家が古民家で、潜在的にノスタルジックなものに慣れ親しんでいたからでしょう。その時はそのまま、通りすぎましたが、後日どうしても写真が撮りたくなり再訪しました。これがきっかけで、長い長い「心のふるさと」を探し撮る旅が始まりました。

高度経済成長期前後まで、どこにでもあった日本の伝統的な街並みや集落は、その後50年間で、ほとんどその姿を消してしまいました。私が撮影を始めてからの30年間でも、明治期に建てられた味のある町家がいつの間にかビルに変わったり、美しかった茅葺屋根の農家を再訪すると、過疎化で住む者も無くなり朽ち果ててしまっていたりと、悲しい姿をしばしば見かけるようになりました。

もちろんそこには、時代の流れや計り知れない事情があり、外部の者がとやかく言えるものではありません。実際、自分自身も現代建築の家に住んでいます。

そのような中、大学時代より撮りだめてきた写真をまとめることを思い立ち、写真集を出版しようとしました。しかし、数百万円の多額の費用がかかることから、あきらめ、表現する方法を模索した結果、辿りついたのが紙面の制限のないこのブログでした。

激しく移り変わる現代社会において、私の撮影した「心のふるさと」の多くは、今、姿をとどめていません。一方で、日本には、私が見ていない「心のふるさと」が現在もまだまだ遺っています。このブログでは、在りし日の姿を写真で思い起こすとともに、現在進行形で探し撮る旅も続け、紹介する記事を重ねていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

最後になりましたが、これまで建物を撮影させていただいたすべての方々に心より御礼申し上げます。そして、このブログを見られた皆さんが、もし、同じ風景を訪問されるときは、その屋根の下に暮らしがあることを踏まえ節度ある撮影をお願いします。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございます。ブログを見た感想やメッセージ、コメントお待ちしています。

●プロフィール

大阪府出身、京都の大学卒業後、ゼネコンに入社し10年余勤務

現在は中国地方の教育機関に勤務

●ニックネーム

「の」

今は会うことも無くなりましたが、大切な友人がつけてくれました。

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